上手な胡麻の食べ方とは?

上手な胡麻の食べ方とは?

炒ってそのまま使用したり、絞って油を抽出したりと昔から私達の食事には欠かせない胡麻。
豊富な胡麻の栄養を効率よく摂るにはどうしたらいいのでしょうか。
今回は上手な胡麻の食べ方をご紹介します。

【原産・歴史】
胡麻はゴマ科ゴマ属の一年草で、原産地はアフリカといわれています。
紀元前3000年前後にはエジプトやインドなどで栽培が始まっていたようです。
日本には6~7世紀辺りでインド・中国を経て伝来したといわれ、一般に普及したのは江戸時代頃。
私達に馴染みの食材ですが、実は大正時代にはすでに全体の80%を輸入に頼っていました。
現在ではさらに国内産の胡麻の生産は減り、そのほとんどを輸入に頼っているのが現状です。
(※縄文時代の遺跡から胡麻が出土しているそうですが、今回は本格的に食用になったといわれている説を記載させていただいています。)

【栄養成分】
胡麻の栄養成分としてよく注目されるのは「セサミン」ではないでしょうか。
このセサミンはポリフェノールの一種で、「ゴマグリナン」を形成する成分の一つです。
ゴマグリナンは抗酸化成分があり、肝臓で使われる際に特に強い抗酸化作用を発揮するといわれ、アルコールの分解を促したり、悪玉コレステロールを低下させる作用が期待できます。
また、胡麻はカルシウムや鉄・葉酸・食物繊維なども多く含まれているので、女性にとってはぜひとも摂取したい食品の一つですね。
ですが、胡麻は種実類に属する食品でエネルギーが高めです。体に良いからといってむやみにたくさん摂取するのは控えましょう。
目安としては一日に大さじ1~2杯程度にし、適量を継続して摂取するのがいいでしょう。
※大さじ1杯約10g

【すって食べよう!】
市販されている胡麻には「炒り胡麻」や「むき胡麻」などいくつか種類があります。
実は体に取りいれた時に効率よく栄養成分を吸収できるのは周りのかたい皮をむいてある「むき胡麻」の方なのですが、カルシウム、鉄、葉酸、食物繊維は、炒り胡麻に比べて減少してしまいます。
特に、カルシウムはせっかく同じ量を食べても、1/20まで減ってしまいます。
もちろん、むき胡麻の方が消化にも良いのでご自分の体調や好みに合わせて使っていただけば構いませんが、ちょっともったいない気がしますよね。
そこで、おすすめしたい食べ方は「すり胡麻」です!
すり胡麻は胡麻を細かく砕いているので、栄養成分が体内で吸収されやすいのが特徴です。
ですが、普段あまり胡麻を使わないから「炒り胡麻」も「すり胡麻」も両方常備しておくのは・・・と思われる方もいらっしゃいますよね。

私は胡麻をほぼ毎日料理に使っている位胡麻が好きですが、実は我が家には炒り胡麻しか常備していません。
胡麻は油脂分が多く含まれた食品なので、すった状態で保存しておくと油分の酸化が進みます。
なので、私は少量のときは指先でひねってパラリ、たくさん使う時はあたり鉢(すり鉢)ですったり、存在感を残したい時は包丁で切ったりして使っています。
ちょっと面倒だなと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、直前に潰した方がより胡麻の香りが際立って美味しいですよ☆
さらにひと手間加えたい時は使う分の胡麻をフライパンなどでサッと空炒りしてから使うともっといい香りが立ちますので、ぜひお試しくださいね!
※市販品で「洗い胡麻」や「磨き胡麻」という名称で売られているものがありますが、これらは加熱作業がされていないので、購入した際は必ず炒ってから使ってください!

身近にある食材だからこそ工夫次第でもっと美味しく使える胡麻。
香りある食材は減塩にも役立ちますのでぜひ料理に取り入れてみて下さいね!
また、同じ食材ばかり大量に食べるなどの偏った摂取のし方をすると、体によくありません。
バランス良くいろんなものから栄養をとりいれるようにしましょう。

Text by さゆり/食育インストラクター