「畑の薬」!?らっきょうの効能とは?

「畑の薬」!?らっきょうの効能とは?

初夏になると出回る「らっきょう」
付け合わせのイメージが強い野菜ですが、実は「畑の薬」と呼ばれるほど栄養価の高い食べ物であることをご存知ですか?

【らっきょうの歴史】

らっきょうは中国原産のネギ科の植物で、主に膨らんだ鱗茎(りんけい)の部分を食用としています。
中国では紀元前から栽培が行われ、薬用として使われていました。
日本には平安時代に伝わり、その当時は薬用として用いられていましたが、江戸時代ごろになると食用として栽培されるようになったと言われています。

【らっきょうの嬉しい効能とは!?】

らっきょう特有の匂いは玉ねぎやにんにくにも含まれる硫化アリルの一種の「アリシン」です。
アリシンにはビタミンB1の吸収を助ける働きがあり、疲労回復に効果的です。
また、免疫力を高め、風邪予防がん予防にも期待できるとされています。
さらに注目したいのが「フルクタン」と呼ばれる水溶性食物繊維です。
フルクタンは脂質が体内に吸収されるのを防ぐため、肥満予防に役立つと言われています。
他にもコレステロールの吸収を抑制したり、血糖値の上昇を抑える働きがあるため、生活習慣病の予防にも効果的です。
ただし、フルクタンは水に溶けやすいので、効率よく摂取するには、らっきょうを生で食べるのがおすすめです。

【らっきょうの選び方と保存方法】

らっきょうは白くふっくらとしていて、傷のないものを選びましょう。
芽がすぐに伸びてしまい、保存には向いていないので購入したらなるべく早めに調理するか、漬物にするのがおすすめです。
どうしても保存する場合には、新聞紙などにくるんでからビニール袋に入れて冷蔵庫へ。
それでも1~2日の間に使い切りましょう。
甘酢漬けやしょうゆ漬けはもちろんのこと、スライスをサッと水にさらしてサラダにしたり、天ぷらや炒め物などにするのもおすすめです。


【似ているけど違う!「エシャレット」と「エシャロット」】

お店などで見かけたことのある人は、その見た目からなんとなく違いが分かると思いますが文字だけでみると同じもののように感じますよね。
でも、「エシャレット」と「エシャロット」は別物。
エシャロットはフランス料理やイタリア料理に香味野菜として使われる小玉ねぎの一種で、エシャレットはらっきょうを若採りしたものです。
この見た目がエシャロットに似ているためエシャレットと名付けたそうですが、現在ではエシャロットも多く流通するようになり、混同してしまうことから少し呼び名を変えて売られていることもあるようです。

美味しくてついついたくさん食べてしまいたくなりますが、食べ過ぎてしまうと胃に負担がかかり、胃もたれや胸やけになるおそれもあるので、気を付けながら今が旬のらっきょうを楽しみましょう!!

 Text by まち/食育インストラクター