食べ過ぎには注意!栄養豊富な秋の味覚「くるみ」

食べ過ぎには注意!栄養豊富な秋の味覚「くるみ」

9月に入り、バテた体も少しずつ落ち着きを取り戻した方も多いのではないでしょうか?
それを待っていたかのように、秋の味覚がいろんな場所で顔を見せ始めていますよね。
今回はそんな秋の味覚から一つ、「くるみ」についてお話します。

【由緒正しいその歴史】

食べられる木の実を一つ思い浮かべてみて?と聞かれたら、かなりの方が思い浮かべるのがくるみなのではないでしょうか。
今ではどんな季節でも簡単に手に入るようになっていますし、近年では健康にも役立つと話題に上がったので、日々のおやつに摘まんでいる方もいらっしゃいますよね。
とはいえ、注目を集める以前からも愛されてきた食材であるのは間違いありません。
日本では東北地方を中心に、くるみを使った多種多様な郷土料理がありますし、さかのぼると、世界中で古代から食べられていた痕跡があるのだそうです!
くるみは殻こそ硬くて剥きづらいですが、栄養価が高く保存も利くので、厳しい食糧事情にあえいでいた昔の人類にとってはとても貴重な食物だったようです。

【身近な木の実の代名詞!だけど…?】

さて、そんなくるみですが、みなさんは殻の割り方をご存知ですか?
「リスやハムスターを飼っているならともかく、そもそも殻付きなんか見かけることがない」とおっしゃられる方もいらっしゃるかと思います。
確かに流通しているものはほとんどが殻剥きタイプのものなので、知らなくても困ることはありません。
しかし、なにかのはずみで現物を目の前にしてみると「とりあえず金槌で叩いてみたらいいのかなぁ…?」なんてことになってしまうことも。
(くるみに上手く力が入らずに割れないどころか、怪我をしてしまうこともあるので、そのままのくるみに金槌は使わないで下さいね!)
ちなみに、正しい、というか、比較的安全な殻の剥き方は、蓋つきのフライパンで乾炒りすることです!
炒ることで硬い殻が割れやすくなり、ものによっては手で割れることもあるくらいです。
くるみに限らず、銀杏などもこの方法で殻を処理することができますよ!


【いつもと違う?生くるみ】

煎ったくるみを剥いた状態のものが、生くるみ
茶色の剥きくるみはロースト(煎り)したものです。
日本で一般的によく見かけるのは、このローストタイプ。
カリッとした食感と香ばしさがあるので、そのまま食べたり、お菓子や料理にもよく使われます。
一方の生くるみですが、こちらの実は柔らかくて、噛んでいるとくるみ本来のほんのりした甘さを感じるのが特徴。
と、ローストするかしないかで、大きく味わいが異なるんですね!
ちなみに栄養価は生の方が少し高め、保存性はローストの方が高めといった違いがあります。
注意したいのが、くるみはエネルギーが高いこと!!
くるみに限らずナッツ類は大体高エネルギーですが、塩炒りのものやメープルシロップを絡めたものは食べやすいので、ついついたくさん食べてしまいがちです。
ですが、いくら体に良い栄養素を含むといっても、たくさん食べ過ぎれば肥満やニキビのもとになってしまいます!
参考までに、くるみのエネルギーは1かけ3gとすると20kcalです。
とすると、10個も食べれば、ご飯を茶碗1杯分多く食べたのと同じくらいのエネルギーになってしまうんです!
さらに、味付きのものは調味料分のエネルギーも増えるので、調子に乗って食べていると……!!
体に良いものでも限界を超えてしまうと、悪い形で自分に跳ね返ってしまいます。
美味しいくるみも食べる前に量を決めて召し上がってくださいね。

いかがでしたか?
殻付きのくるみは道の駅などで販売されているのを見かけます。
袋入りのローストくるみもそれはそれで美味しいのですが、自分で手間暇をかけて殻を割って食べると、より美味しく感じますよ!

Text by はむこ/食育インストラクター