砂を噛んでも食べたい!?知ってるとちょっと得する“あさり”の話

家庭の食卓で登場する貝といえば“あさり”。
ふっくらした身にギュッとうま味がつまっていて、アレンジも自由自在なところがまた魅力的ですね。
それにしても、あさりといえばつきものなのが砂です。
あさりの身を口にした瞬間に広がるジャリっとしたあの食感……ハズレくじを引いたようでがっかりしませんか?
今回は、そんなあさりの砂抜きと、注意しておきたいポイントをまとめてみました!

【砂抜きポイント3選!】

あさりは普段、浅瀬の砂の中に隠れています。
その状態で海水を吸い込むので、一緒に砂も取り込んでいます。
天然だからこそ、とはいったものの、食べたときに不快な気分になるのは避けられませんよね。
市販のあさりは砂抜きされていることが多いのですが、調理する前に念のため砂抜きをする方もいらっしゃると思います。
それだけ念入りに対処をしたはずなのに砂が入っていた。
そんな悲劇を回避するためにも、ポイントを一緒に確認してみましょう!

①塩分濃度は3%、水温は15~20℃
あさりは生ものだから冷蔵しなくちゃ!と思いがちです。
しかし、生きているからこそ、自然の海水に近い条件の水につけることで、砂を吐き出してくれるのです。(冷蔵庫内では寒すぎて口を閉じてしまいます
秋・冬は日光の当たらない場所で常温放置でも構いませんが、潮干狩りシーズンである初夏あたりからは常温放置だと水温が上がりすぎて死んでしまうかもしれません。
水をこまめに入れ替えて、水温が上がらないように注意しましょう。

②薄暗いところで砂抜きさせる
いつも砂の中にいるあさりにとってみれば、明るい場所に出るのは非常事態!
そのため、明るい場所では貝の口を閉じてしまって、なかなか砂を吐いてくれないのです。
窒息しないように端は少し開けてカバーをかけると吸水を始めてくれます!

③平らなところで砂抜きする
あさりが重なっていると上のあさりが吐いた砂を下のあさりが吸い込んでしまい、結局ジャリジャリに…という悲劇が起こります。
スペースにゆとりを持たせるのはなかなか難しいかもしれませんが、あさりが重ならないようにすると失敗が少ないです。
ボウルよりもバットで行うとよいですね☆

これらのポイントを守りつつ、数時間~半日置いておけばしっかり砂抜きできますよ☆


【加熱のススメ

インフルエンザと並んで冬場の嫌な話題であるノロウイルス。
抵抗力の弱い高齢者や子どもたちは重症化の可能性があるため、特に注意が必要です。
ノロウイルスに関連する食材としては、牡蠣が代表格として挙げられることが多いのですが、実はあさり(を含む二枚貝)も、ノロウイルスを持っている可能性のある食材なのです。
牡蠣と違って生食することがないため、あまり感染の例は多くありませんが、加熱が不十分であれば感染源になってしまいます。
…と、ちょっと脅かすような書き方をしてしまいましたが、しっかり加熱していれば、ノロウイルス感染のリスクは減らすことができます
ノロウイルスを死滅させるには、85~90℃で90秒以上の加熱(表面だけではなく、中までしっかりこの温度になっている必要があります)が必要です。
粒が大きめのあさりの場合は、普段より長めの加熱を心がけるとよいでしょう。
また、あさりの砂抜きに使った器具や流しなどもしっかり熱湯消毒することで、ほかの食材への汚染を防ぐことができますよ!

あさりは鉄をはじめとするミネラルが多く、低カロリー・低脂肪
和洋中、どんな料理にもよく合うため、上手に使っていきたい食材です。
ぜひとも有効活用してあげてくださいませ☆

Text by はむこ/食育インストラクター