そのおいしさやいかほど…!?昆虫食とは?

新年度が始まる4月。
環境が変わるのをきっかけに、新しいことにチャレンジしようと思われる方もいるのではないでしょうか?
今回はそんな好奇心旺盛な方でも、ちょっと(?)しり込みしてしまうかもしれない、昆虫食についてお話します。

【昆虫を食べる】

昆虫食への注目度は年々高くなり、今では昆虫パウダーや昆虫お菓子などを取り扱うお店も増え、長期的なトレンドになっています。
もともと、「昆虫を食べる」という食文化は世界でもさまざまなところで見られます。
例えば日本では昆虫を食べる習慣が現在でも残っている地域が複数あり、未知の文化ではありません。
それなのに、近年になってなぜこれほど昆虫食の話題が増えているのでしょうか?

大きな転換点になったのが、2013年にFAO(国連食糧農業機関)が公表した、食品及び飼料における昆虫類の役割に注目した報告書です。
この報告書の中で、昆虫食の栄養価が高いことや、必要な飼料の量・飼育に必要な面積も少ないことから、将来的な食糧危機に対する新しい代替食として、優れたパフォーマンスを持っていると取り上げられたのです。
この報告書から今年で10年。
現在はSDGsの達成に向けた取り組みなどとも関連し、多数のベンチャー企業が参入する、新しい食品として注目度が高まっています。

【見た目はともかく…?】

昆虫食の可能性がすごいとはいうものの、実際の栄養価はどれほどのものなのでしょう?
まず、昆虫の種類によって栄養価が変化することが注意したいポイントです。
また、幼虫と成虫で栄養価が異なる種も多いので、しっかり確認してから購入するとよいですね。
そんな昆虫食の多くに共通する栄養素が、たんぱく質です。
肉や魚・卵など、一般的に動物性の食品に多い栄養素ですが、これは昆虫でも同じです。
また、可食部が丸ごともしくは殻ごとになるものが多いので、カルシウムなどのミネラルが摂れるのもメリットです。
肉や魚などでは骨ごと食べやすく調理する手段が限られますが、見た目に忌避感が無ければ昆虫類は不足しがちなミネラルの補給源にもなり得る存在です。
また、どうしても昆虫の見た目が受け入れられない方でも、昆虫パウダーに加工したものであれば、気にせず食べられる…かも?

今回はオーブンなしで作れ、少量ずつ食べやすい自家製おやつのレシピをご紹介します。


【コオロギパウダーのナッツバー】

<材料> 調理時間:50分
クリケットパウダー・・10g
水・・小さじ1
はちみつ・・小さじ2
アーモンド・・15g
レーズン・・15g
マシュマロ・・50g
オートミール・・25g

<作り方>

  1. クリケットパウダーは水・はちみつを入れて練る。
  2. アーモンド・レーズンは包丁で粗く刻む。
  3. ボウルにマシュマロを入れて湯せんにかけ、溶けるまで温める。
  4. (3)に(1)・(2)とオートミールを入れて混ぜ、温かいうちにクッキングシートに均一にならす。
  5. 完全に冷やしかたまったらひと口大に切る。

<ポイント>
・アーモンドは事前に砂糖と絡めてキャラメルナッツにしておくと、香りがよくなりさらに食べやすくなります。

今回は昆虫食の可能性について取り上げましたが、2023年現在はまだまだ研究途上にある食品であることはご留意ください。
日本ではまだ、食品としての安全基準を始めとする法制度の取り決めが追いついていない部分があります
そのため、これから昆虫食を食べてみたいと思われた方は、召し上がる前にどこの国で生産された昆虫で、その国での食品衛生への法整備はどうなっているのかなどを確認してから召し上がった方が安心です。
また、エビ・カニと同じたんぱく質を持つ昆虫もいるので、アレルギー体質の方はもちろん、初めて昆虫を召し上がる方も、ごく少量ずつ食べて様子を見ながらにしてくださいませ!

食の救世主(になるかもしれない)昆虫食、これからも注目して話題を追っていきたいですね☆

Text byはむこ/食育インストラクター