出会えたらラッキー!生の「あんず」を食べよう

皆さんは店頭で「生のあんず」を目にしたことはありますか?
「あんず」と言うとシロップ漬けやジャムなど、加工したものをイメージする方も多いと思います。
実はあんずは傷みやすく、収穫期が短いことからあまり生の状態では出回らないので、見かけたときはラッキーです!
今回は、そんな「あんず」を深掘りしていきます!

【「あんず」ってどんな果物?】

あんずはバラ科アンズ属の果物で、英名では「アプリコット」と呼ばれています。
形は梅の実に似ていて、熟すと鮮やかなオレンジ色に変化します。
市場に出回るのは6月~7月までの短い期間だけなので、店頭に並ぶのを待ち望む方も多くいる果物です。
あんずの生育は夏に雨が少なく、水はけのよい涼しい気候が適していて、日本では青森県と長野県が主な産地となっています。
そもそもあんずは、中国北部や中央アジアが原産といわれています。
中国では何千年も前から、種の中にある「杏仁(きょうにん)」を漢方薬として利用するために栽培されていました。
日本へは平安時代に薬の材料として中国から伝わってきました
果物として食べられるようになったのは、明治時代に入ってからとされています。
ちなみに、「杏仁」は「杏仁豆腐」などのお菓子の材料としても使われています。

 【種類】

あんずは2つに大別され、「果実の酸味が強く、加工用に適している東亜系」と、「果実の酸味が少なく、生食・加工に使われる欧州系」があります。

<東亜系>
●平和
大正時代から長野県で栽培されている、日本のあんずの代表的な品種です。
第一次世界大戦の終結を記念して名づけられました。酸味が強いのが特徴です。

●昭和
昭和15年ころに発見され、この名がつきました。
果肉の締まりがよく、シャキシャキとした食感を楽しむことができます。
シロップ漬けやジャムなどの加工に優れています。

<欧州系>
●ハーコット
生食用に品種改良されたカナダ生まれの品種です。
酸味が穏やかで非常に甘く、生食に適しています
生育の難しさや収穫時期の短さから、あんずの中でも高級な部類とされています。

●サニーコット(おひさまコット)
量産しやすいあんずを作るために品種改良を重ねた品種です。
その結果、果実が裂けることが少なく、実をつけやすくなり、栽培が容易になりました。
大きく黄色い果実がなることから『太陽のようなアプリコット』という意味で「サニーコット(おひさまコット)」と名づけられました。
甘味と酸味のバランスがよく、果汁を多く含むやわらかい肉質はみずみずしくジューシーな食べごたえがあります。


【おいしいあんずの選び方】

店頭で生のあんずを見かけたら、以下の点に注目してみてください。

  • 色が濃く、香りがよい
  • 触るとやわらかい
  • ずっしりとした重さがある

これらは甘味がしっかりあり、果汁がたっぷりでおいしい証拠です。
ただし、熟したものは傷みが早いので、購入したらできるだけ早く食べるか加工するようにしましょう。
もし、実がかためであれば、常温で半日から数日追熟させると甘味が増し、食べごろになります。

【あんずにはどんな栄養があるの?】

今回は、あんずに多く含まれている栄養素を4つご紹介します。

 ●ビタミンE
強い抗酸化作用をもち、肌や血管を若々しく保ってくれます。

●ビタミンA
目や粘膜、肌の健康維持に役立つほか、免疫力を高め、風邪予防にも効果があります。

 ●カリウム
余分なナトリウムを排出してむくみを解消するほか、高血圧を予防します。
カリウムは汗とともに失われてしまうので、夏場や運動後は特に不足しがちになります。

 ●GABA(ギャバ)
アミノ酸の一種で、ストレス軽減効果が期待できます。

いかがでしたか?
短い期間しか味わえない、生のあんず。
皆さんも見かけたときはぜひ手にとってみてくださいね。

Text by ろい/食育インストラクター