こどもごはんを考える~組み合わせで効率よく栄養を摂る方法③ビタミンE~

子どもの「食事は栄養たっぷり!バランスよく!」と考える方が多いと思います。
栄養素は加熱に強い・弱いや、水に溶け出るもの、油脂に溶け出るものなど様々です。
それぞれの特徴を知る事で効率よく栄養を摂る事が出来ます。
今回は新陳代謝を高め、成長を促進する脂溶性の「ビタミンE」についてご紹介します。

【脂溶性ビタミンとは

脂溶性ビタミンはビタミンA(レチノール)・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンKです。
その名の通り、油脂類に溶けやすい性質を持っています。
体にとって大切な栄養素ですが水溶性ビタミンと比べて体内に留まり易いので、通常の食事に加え、サプリメントを取られている方は、過剰摂取に気を付けましょう。

【ビタミンE

ビタミンEは油脂類をはじめ、野菜・ナッツ類・魚介類に多く含まれ、様々な食品から摂る事が出来ます。
効能は「細胞を正常に保ち、老化を予防する」「血流改善」等です。
ビタミンEは脂溶性の中では過剰症が起こりにくいビタミンといわれていますが、摂り過ぎると「出血しやすい」という症例があるそうです。
欠乏すると「動脈硬化の進行」「赤血球が破壊される事で発症する溶血性貧血」等になる恐れがあります。
多く含む食品はひまわりオイル・アーモンド・かぼちゃ・モロヘイヤ・イクラ等です。


相性の良い組み合わせ

組み合わせると効果的な食材をまとめてみましたので、参考にしてみて下さい。

☆アボカド×エビ
・・・エビもビタミンEを含む食材。
アボカド自体に脂質が多いので、双方のビタミンEを効率良く摂取する事が出来ます。
また、エビはたんぱく質やタウリンが豊富なので、疲労回復等も期待できます。
サラダにしたり、エビと一緒に春巻きの具にしても食べ応えがあるおかずになりますよ。

☆アーモンド×サラダ
・・・アーモンドはビタミンEのほか、脂質も豊富に含むので、一度にたくさん摂ると、エネルギーの摂り過ぎになるため、少量ずつ摂るようにしましょう。
スライスやダイスカット等、様々な形状で売られているのでサッと煎って香ばしくし、サラダにかけるとアクセントになり美味しくいただけます。
おすすめの野菜としては、β-カロテンやビタミンCを含むパプリカやブロッコリー、人参などです。

☆アスパラガス×肉類
・・・アスパラはビタミンEのほか、ビタミンA(β-カロテン)・C、疲労回復効果が期待できるアスパラギン酸など、栄養豊富な野菜です。
肉類はたんぱく源として、体を作るのに欠かせない栄養がたっぷり!
脂質も比較的多く含まれるので、うま味の強いそれぞれの肉の脂分を使った炒め物はいかがでしょう。
余分な油脂類を足さず、肉から出る脂を利用すれば無駄も省けます
出てくる脂の量が気になる場合は、ペーパータオル等で拭き取るといいですね。

☆ニラ×豆腐
・・・豆腐に含まれるたんぱく質やイソフラボンと一緒に摂る事で、肌のコンディションを整えたり、風邪予防に効果的です。
ニラを刻んで挽き肉と一緒に豆腐にかけたニラあんかけ豆腐等は体も温まるのでおすすめです。
大人は辛味を効かせるとご飯のおかず、お酒のアテにと色々楽しめます。

☆かぼちゃ×牛肉・レバー
・・・鉄分を多く含む牛肉やレバーとビタミンEの多いかぼちゃを組み合わせる事により血行を良くする作用があるので「生理痛の緩和」や豊富な鉄分で「貧血・疲労などの回復」を促します。
レバーは少々クセのある食材ですが、下処理をしっかりして下味をつけ、片栗粉等でコーティングしてから調理すれば、パサつきも防げるので食べやすいです。
オイスター炒めや、カレー粉をまぶしてスパイシーに焼くと美味しく頂けます。

食材はひとつの栄養素から成り立っているのではなく、様々な物質が含まれています。
今回は、その中でもビタミンE含有量が多い食品をピックアップしてみました。
栄養はいつも決まった食材から取るよりも、幅広い種類から取ると自然とバランスもよくなります。
色々な要因で食べられない物もあるかと思いますが、好き嫌いや見た目が苦手といった場合は、調理を工夫してみましょう。
(アレルギーで食べられない場合は医師に相談の上、食材を選んでくださいね。)

Text by さゆり/食育インストラクター