暖かな陽気で過ごしやすい春は、お出かけする機会が増える方も多いのでは?
そのとき、皆さんは日焼け対策をしていますか?
実は、春も紫外線が強く、警戒が必要です…!
そこで、「日焼け」を食の観点から見ていきます!
【春の紫外線も侮れない!?】
紫外線にはUV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)の3種類があります。
UV-AとUV-Bは地上に到達しますが、UV-Cはオゾン層で吸収されてしまうため、地上には到達しません。
UV‐Aは『生活紫外線』と呼ばれ、太陽から届く紫外線の約9割を占めます。
波長が長く、肌の真皮層にまで達します。
その結果、じわじわと肌にダメージを与え、肌を黒くするほか、ハリや弾力のもととなる線維芽細胞を破壊します。
UV-Aは4月ころから一気に増加し、春先でも真夏とほとんど変わらない紫外線量になると考えられています。
一方、『レジャー紫外線』と呼ばれるUV-Bは、太陽から届く紫外線の約1割と量は少ないのですが、肌への作用が強いのが特徴です。
波長は短く、主に肌の表面にダメージを与えて、シミや色素沈着の原因になります。
UV-Bは4月ころから徐々に増え始め、真夏にピークを迎え、その後は減っていきます。
【日焼けにも種類がある】
紫外線には2種類あるとご説明しましたが、そのどちらの影響を多く受けたかによって、日焼けの症状が異なります。
UV-Aを多く浴びると徐々に皮膚が褐色に変化し、いわゆる「小麦色の肌」になるタイプの日焼けが起こります。
この褐色や黒色の色素である“メラニン”の産生を促すことで起きる日焼けを『サンタン』と言います。
サンタンは日光にあたって数日してから現れ、数週間から数カ月続きます。
それに対し、UV-Bによって起こる日焼けは、日光にあたった部分の皮膚の赤みやヒリヒリ感、水ぶくれなどの炎症が起こります。
この紫外線による皮膚の火傷を『サンバーン』と言います。
サンバーンの症状は8時間~24時間でピークに達し、2~3日で消えるのが特徴です。
【紫外線とビタミンDの関係】
近年、熱中症予防や、紫外線による肌へのダメージを防ぐため、過度な日焼け対策をする方が増えています。
確かに、紫外線をむやみやたらに長時間浴びることは、皮膚だけでなく目にも影響を及ぼし、角膜炎や白内障になるリスクもあるので、あまりおすすめできません…。
しかし、“日焼けや紫外線は悪!”と一概には言えないのも事実です。
皮膚は紫外線を浴びると、ビタミンDを生成します。
ビタミンDはカルシウムの吸収や骨の成長を促進するほか、血中カルシウム濃度を調節する働きがあり、健康な骨を維持するために欠かせない栄養素です。
不足すると、骨が軟化して細く・もろくなる病気を発症する恐れがあります。
病気は、小児の場合は「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」と呼ばれています。
なかでも高齢者はビタミンDが不足すると、加齢による吸収不良や腎臓の活性化低下、骨粗しょう症などにもつながるので注意が必要です。
高齢者のフレイル(虚弱)予防はもちろん、全年齢区分を通じて日常生活で可能な範囲内での適度な日光浴を心掛けるのに加え、日照時間を考慮することが重要です。
【日焼けケアには、どんな栄養素を摂るのが効果的?】
日焼けしてダメージを受けた肌には、健康な体づくりに欠かせないたんぱく質だけでなく、ビタミン類を摂ることも大切です。
今回は、おすすめの栄養素を3つご紹介します!
●ビタミンA
皮膚や粘膜を健康に保ち、肌の再生(ターンオーバー)を活発にして美肌に導きます。
<多く含まれる食品>
トマトや人参、ほうれん草などの緑黄色野菜、うなぎ、レバーなど
●ビタミンC
肌のハリを保つコラーゲンの合成をサポートするほか、メラニン色素の生成を予防し、白く美しい肌を保つために働きます。
<多く含まれる食品>
じゃがいも、ブロッコリー、柑橘類の果物など
●ビタミンE
老廃物の排出を高める抗酸化力の強いビタミンです。
別名、“若返りのビタミン”とも言われています。
<多く含まれる食品>
アボカド、アーモンド、たらこ、ぶりなど
いかがでしたか?
次回の「日焼けケア」では、今回ご紹介した栄養素をバランスよく含んだレシピをご紹介します。
Text by ろい/食育インストラクター