食を通して子どもの心を育む方法とは

子どもの心は生活の中で徐々に育まれていきます。
今回は、食を通して心の成長をサポートする方法、そして食育についてご紹介します。

【食卓を囲もう】

他者との交流の場でもある食卓は、子どもにとって社会に出るための大切なマナーを身につける場でもあります。
食事の時はテレビを消し、おもちゃなどは片づけましょう。
そうする事で、食事に集中出来ます。
食事中は料理の事、その日にあった出来事など、会話を楽しむと良いですね。
食事の時間が楽しいと、子どもはもっとその時間を共有したいと思い、自分にとって心が安らげる場所に繋がります。

【一緒に作ろう】

日頃は大人がやってしまうことでも、時間に余裕がある時は手間のかかる料理を子どもと一緒に作ってみましょう。
ポイントは「親が全て指示しない」事。
料理は手順や盛り付けた時の見た目など、考えたり組み立てていく作業がたくさんあります。

他者と協力する力・順序立てて考えていく力を培うにはもってこいです。
また盛り付けは 、自分に合った量を知る・平等に分ける・美味しく見せるという、自分を知る、他者を思いやる気持ちも育てます。
味や盛り付けなど、おおいに褒めてあげましょう!
一緒に作ると、手順を間違えたり、汚したり、親としては面倒くさいと感じてしまう場面もあるかもしれませんが、間違えたら修正方法を一緒に考えてみる・汚したものは片付けさせる、というようにすると、解決方法を考える力、自分の事は自分でやる力になりますよ。
自分で作る事により、普段食べられない物でも食べられるようになる子どもも多いようです。
また、作業中だからこそ、普段は言えない悩みなどを打ち明けてくれる事もあるかもしれません。

普段から、食器を準備する、野菜を洗うといった簡単な事を手伝ってもらうとより家族の絆も深まりますね。
小さなお子さんでも、野菜をちぎったり、ゴマをふったりといった簡単な作業なら出来ますし、大人のまねっこをしたいものです。
2歳位になればコミュニケーション能力も上がりますので、料理中にぐずる時は危なくない作業を一緒にやってみると楽しいですよ。

最後に食育についてご紹介します。
上記に書いたことは、全て「食育」に繋がっていきます。
食育は、「知育」「徳育」「体育」と並ぶ人を育てる事の一環です。


 【食育とは】

「食」という字は「人を良くする」と書きます。
食育は
●選食力を養う
健康・環境に良い食べ物を選ぶ力を身につける

●食のマナーやしつけ
衣食住の伝統を学び継承する

●地球規模で食について考える
環境や自給率・食糧問題などを世界規模で考える

という三本柱を掲げ、食べ物を通し、人の心や体を育てていく事を目的としています。
また、健全な心身を培い、豊かな人間性を育み、ひとり一人が食について考えるために「食育基本法」がつくられ、平成17年7月15日に施行されました。
食育基本法が成立した6月にちなみ、毎年6月を食育月間、毎月19日を食育の日としています。
※厚生労働省H.P.およびHATTORI食育クラブのwebページより抜粋、再編しています。

食べる事は体を作り、心を育てる大切な行為です。
他者との繋がりが希薄になっている昨今、今一度自分や家族の「食」について考えてみてはいかがでしょう。

Text by さゆり/食育インストラクター

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