単なる添え物だと思っていませんか?「しそ」には栄養がギュッとつまってます!

お刺身の横に彩りとして添えられている「しそ」。
しそを食べるのは「梅しそ天」に入っている時くらいかな、という方も多いのではないでしょうか。
「そんなのもったいない!!」と思ってもらえる「しそ」の栄養をご紹介します。

【香りも有効成分?】

日本には2500年ほど前に中国からもたらされたと言われ、日本人には馴染みのある香りだと思う方がいる一方で、しその香りが大嫌いという方もいるようです。
その独特な香りはペリルアルデヒドという成分で、抗酸化作用と殺菌作用が強いと言われています。
また、胃液の分泌を促して食欲を増進させる効果が期待でき、しその葉・花・実は日本料理では薬味として欠かせません。
最近では海外の料理人も飾りに使う人がいるほど、世界的に認知度が上がってきた食材だと言えるでしょう。

【ギュギュっと栄養】

しそには青じそと赤じそがあり、青じその方がβ‐カロテンが多く栄養価が高いと言われています。
でも、赤じそには必須脂肪酸のα‐リノレン酸や抗酸化作用のあるアントシアニンが含まれている注目の食材です。
なお、β‐カロテンは口や鼻の粘膜、肌や髪などを健康に保つ働きがあるほか、強い抗酸化作用もあるため、老化防止に役立ちます。
さらに糖質の代謝を促すビタミンB1が豊富なので疲労回復に役立つほか、脂質の代謝に役立つビタミンB2も含むので、ダイエット中の人は上手に摂りたい栄養素が詰まっています。
さらに赤血球をつくったり細胞をつくるのに欠かせない葉酸も含みます。
葉酸は胎児や乳幼児期など成長に重要な働きをするため、妊娠・授乳中の方や幼児期には積極的に摂っていただきたい栄養素です。
また、「しそ油」があることから分かる通り、脂質も含まれていて、必須脂肪酸のα‐リノレン酸が含まれ、がんやアレルギーを予防してくれると言われています。


【しそをたっぷり使うには】

私が子供のころ、母は夏になると刻んだしそと塩を加えた「しそご飯」をよく作っていました。
香りが良いのは言うまでもありませんが、いつもよりご飯に甘みを感じられたのを覚えています。
“つま”として使うには少量しか使いませんが、食材として使えば購入したしそを上手に使いきれるのではないでしょうか。
例えば、塩もみしたきゅうりとキャベツに加えれば、きゅうりのカリウムと、しその抗酸化作用の組み合わせが動脈硬化予防に役立ったり、牛のステーキに青じそを加えたポン酢をかければ、免疫力アップ効果が期待できるなど、美味しく効率よく食べられます。
購入する時は葉の先端までハリがあり色鮮やかな緑色のものを選び、保存する時は茎を少し切って花をいけるように水にさしてラップをかけておくか、ぬらしたキッチンペーパーで包んで保存するとよいでしょう。
今年の夏はしそに注目してみませんか?

Text by ゆず/食育インストラクター

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