小さな粒にギュッとつまった「ピスタチオ」の驚くべき効能とは?

お酒のおつまみや、ケーキやジェラートなどのお菓子の材料として馴染みのあるピスタチオ
口を開けたような可愛らしいその小さな種子は栄養価がとても高く、「ナッツの女王」とも呼ばれています。
では、ピスタチオにはどのような効果があるのでしょうか?

【ピスタチオの歴史】

元々は古代トルコ、ペルシャ(現イラン)などの地中海沿岸地方に自生していたピスタチオ。
他のナッツには無い味わいと、鮮やかな緑色をしていることから、旧約聖書に登場するシバの女王も好み、国内すべてのピスタチオを独占したとも言われています。
日本には19世紀に伝わり、その後栽培も試みましたが、気候や風土が合わず、定着しませんでした。
現在、イランが生産量第1位、次いでアメリカ、トルコの順に生産されています。

【美味しいピスタチオの見分け方と保存方法】

かたい殻におおわれたピスタチオは、殻を外し、中の緑色の部分を食べます。
緑色の濃いものが良品とされていますが、湿気を含むと酸化しやすく、香りが悪くなってしまいますので、なるべく早めに食べきるようにしましょう。
たくさん購入した場合は、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室に入れるか、冷凍庫で保存します。
冷凍したものも2~3ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。

【ピスタチオに含まれる栄養素】

ピスタチオには、カリウム、鉄、銅などのミネラルや、ビタミンB1、ビタミンB6などのビタミン、食物繊維、さらにオレイン酸やリノール酸、植物だけに含まれるルテインやゼアキサンチン、β-カロテンも豊富です。
このような栄養素を含むピスタチオには驚くべき効能があり、今回はその中からいくつかをご紹介します。


【ピスタチオの効能】

①コレステロール値を低下させる効果
ピスタチオに含まれる不飽和脂肪酸のオレイン酸には、善玉コレステロールを下げずに、悪玉コレステロールだけを減らす効果があります。
また、必須脂肪酸の一つであるリノール酸も含まれ、この2つ脂肪酸の働きによってコレステロールが低下し、動脈硬化や高血圧予防にもつながります。

②貧血予防効果
ピスタチオに含まれるは、赤血球のヘモグロビンや、筋肉中のミオグロビンを構成する成分で、全身の組織に酸素を運ぶ役割をしています。
貧血予防にとても重要で、鉄が不足しやすい女性に、ぜひ摂っていただきたい成分の一つです。
また、ピスタチオには鉄の吸収を促してくれる銅も含まれているので、より貧血予防に効果が期待できます。

③眼病予防効果
ピスタチオに含まれるルテインゼアキサンチンは、白内障や黄斑変性症(物がゆがんで見えたり、視野が狭くなったりする症状)などを予防する効果があると言われています。
ルテインは緑黄色野菜などにも含まれていますが、油と一緒に摂取することで、体内への吸収効果が高まります
そのため、油脂を含むピスタチオは効率よくルテインを摂取することが出来ます。

④便秘解消効果
ピスタチオに含まれる食物繊維は、腸内環境を整える働きがあります。
さらに、ピスタチオに含まれる不飽和脂肪酸胃腸の働きを活発にしてくれる働きもあるため、便秘の解消に効果的です。

独特な味わいのピスタチオ。
美味しくてついついたくさん食べたくなってしまいますが、食べすぎはNG!
ピスタチオは油脂を多く含んでいるので、適度な量を摂取するよう心がけましょう

 Text by まち/食育インストラクター