不老長寿の果物!?とろける果実「桃」のお話し

甘い香りと、とろけるような食感が魅力の「桃」はこれからが美味しい季節です。

【不老長寿の果物!?桃の歴史】

中国が原産と言われている桃は、「西遊記」の主人公、孫悟空が食べたていたことでも有名です。
古来中国では「仙果」とも呼ばれ、邪気を払い不老長寿をもたらす果物とされていました。
中国からシルクロードを西へと渡り、ヨーロッパの方に伝わった桃。
日本には全国の遺跡から種が発見されていることから、弥生時代には食べられていたと言われています。
しかし、当時の桃はそれほど甘いものではなく、観賞用や薬用に使うことの方が多かったようです。
では、現在のように甘い桃が栽培されたのはいつ頃だったのでしょうか?
本格的な栽培が始まったのは明治時代に入り、中国やヨーロッパから品種が輸入されるようになってからで、その後日本各地でも様々な品種が生まれて行きました。

【「白桃」と「黄桃」の違いとは】

白桃は果汁が多く含まれており、果肉も柔らかくとても瑞々しいので、冷やしてそのまま食べることがほとんどです。
黄桃はその名の通り、黄色い果肉が特徴です。
熟してもそれほどやわらかくならず、あまり甘くないので、缶詰に加工されることがほとんどでした。
しかし、最近では品種改良が進み、生食用の黄桃も増えてきています。
山梨を中心に作られているようですが、まだ生産量が少ないためにお値段も少し高め。
市場にもあまり出回っていないので私はまだ食べた事がありません…。
「黄金桃」「ゴールデンピーチ」という品種があるそうなので、気になる方はぜひ味わってみてくださいね。


 【桃の栄養と効能】

桃の主成分は主に果糖で、効率よくエネルギー源となり、疲労回復に役立ちます。
その他にも、整腸作用や便秘予防に効果のある食物繊維や、塩分を排泄し、血圧を下げるカリウムが多く含まれています。
また、実だけではなく葉にもタンニンやマグネシウム、カリウムなどの成分が含まれており、江戸時代では夏の土用の日にあせもや湿疹に効果がある「桃湯」に入っていたそうです。
スーパーなどではあまり葉つきのものは見かけませんが、お家に桃の木がある人はぜひ試してみて下さい。
桃の葉エキス入りという文字を見かけたらそちらでも同じ効果がありますよ!!

美味しく頂くには、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やすのがポイント
冷やし過ぎると甘味や香りが軽減してしまうので注意しましょう。
これからさらに暑くなるこの季節、たっぷりと水分を含んだ桃を食べて元気に夏を乗り切りましょう!!

Text by まち/食育インストラクター

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