離乳食期から病中まで!さまざまな場面で使えるお粥

離乳食期の赤ちゃんが最初に口にする食べ物であり、体調が悪い時も口にすることが多いお粥。
今回はいろいろと使える「お粥」についてご紹介します。

【お粥とは】

お粥は普通のご飯より水分を多くして炊いたものの総称です。
現在は炊飯器や鍋、釜などに米・水を入れて炊きますが、昔は米を蒸して作る強飯(こわいい)が一般的でした。
そのため、釜で炊いたご飯はみな「粥」と呼ばれ、現在のご飯を「かたがゆ」・粥を「汁がゆ」と分けていました。
お粥は時間をかけてじっくり煮ることでやわらかくなり、消化もよいので離乳食のほか、病中や病後の回復期・高齢者の食事に用いられます。

また七草粥や小豆粥など、ハレの日にいただくこともあります。

【お粥の種類】

ひとくちにお粥といってもさまざまな種類があり、食べる人の状態に合わせて作ります。

●全粥(十分粥・五倍粥)
お粥の中で最も水分の少ないもので、米:水=1:5の割合で炊きます。
ご飯から作る場合は、ご飯:水=1:2が目安です。

●七分粥(七倍粥)
米:水=1:7の割合で炊くほか、全粥:重湯=7:3で作ることも出来ます。
ご飯から作る場合は、ご飯:水=1:3が目安です。

●五分粥(十倍粥)
米:水=1:10の割合で炊くほか、全粥:重湯=5:5で作ることも出来ます。
ご飯から作る場合は、ご飯:水=1:4が目安です。

●三分粥(二十倍粥)
米:水=1:20の割合で炊くほか、全粥:重湯=3:7で作ることも出来ます。
ご飯から作る場合は、ご飯:水=1:8が目安です。

●一分粥(おまじり)
重湯にお粥の米粒を少し混ぜた物で全粥:重湯=1:9でも作ることが出来ます。

●重湯(おもゆ)
米:水=1:10~20くらいで炊いたお粥の上澄み液(またはこしたもの)を重湯といいます。

お粥は離乳食の進み具合や病中・病後ならその人の体調に応じて、固形物(米)の量を変化させることが出来ます。


【〇〇分粥・〇〇倍粥】

お粥は「十分粥=五倍粥」や「五分粥=十倍粥」といったように同じお粥の出来上がりを示しているにも関わらず「分」と「倍」の前につく数字が違うものがあり、混乱してしまいますね。
「分」と「倍」の違い…それは
「分粥」は全粥(十分粥・五倍粥)+重湯で粥を作る際に「全粥をどの位使用しているか」を示したもので、「倍粥」は使用する米の量に対して「水をどの位使用しているか」を示したものということです。
言い方は違いますが、出来上がりを比較するとほぼ同じ状態です。
上記に書いた「お粥の種類」にどちらの名称も記載していますので、分からなくなったら参考にしてみて下さい。

【お粥の炊き方】

お粥は米から炊くのが基本ですが、炊いたご飯を用いることで時間を短縮することが出来ます。
ここでは「米から炊く」・「ご飯で作る」の2つの方法をご紹介します。

●米から炊く全粥(作りやすい分量)
<材料>
米・・100g
水・・500ml

<作り方>

  1. 米を洗って30分ほど浸水させる。
    鍋に入れ、分量の水を加えて火にかける。
  2. 沸いたら木べらなどで時々鍋底をかきながら40~50分弱火で煮る。
  3. 火を止めてフタをして10~15分ほど蒸らす。


●ご飯から作る全粥(作りやすい分量)

<材料>
ご飯・・100g
水・・200ml

<作り方>

  1. ご飯・水を鍋に入れ、木べらなどでご飯をほぐして全体を混ぜ火にかける。
  2. 沸いたら木べらなどで時々鍋底をかきながら15~20分弱火で煮る。

そのほかのお粥も作り方は同じですが、水分量が違うので煮る時間は前後します。
調べる本などによって、〇〇分粥・〇〇倍粥と記載はまちまち。
「分」と「倍」を間違えると、まったく違うお粥になることもあるので、気をつけて作って下さいね。
また、たくさん出来て残った場合は冷凍保存も可能です。
離乳食期なら製氷皿に流してかためておくと便利!
状態にもよりますが、1週間をめどに使い切るようにしましょう。
※保管状態によっては1週間持たない場合もありますので、解凍したら必ず状態をチェックしてから使用して下さい。

Text by さゆり/食育インストラクター