お弁当から考える食育〜バランスよく食べよう〜

お昼にお弁当箱の蓋を開けると、美味しそうなごはんが詰まっている…。
ちょっと憧れますよね。
うまく作ればお財布に優しく健康的な食事ができますよ。

【バランスのよいお弁当の目安は】

実は『見た目のよさ』というのはとても大切です。
と、いうと『キャラ弁!?』と思われるかもしれませんが、そうではありません。
『緑、赤、黄、白、黒』の5色が揃うような料理を作ると、見た目がキレイで食欲が出るというだけでなく、緑黄色野菜やキノコ、海藻類など自然と様々な食材を使うため、バランスのよいお弁当が作れるというわけです。
そして、ごはんとおかずの分量も大切です。
まず、自身で『腹八分』となるくらいのお弁当箱を用意します。
次にごはんをお弁当箱全体の2/3を目安に詰めましょう。
ごはんの量が多い!?と思われるかもしれませんが、最近はおかずを多く食べる傾向にあるので栄養バランスがくずれたり、塩分過多になりがちです。
予防するなら目安として覚えておきましょう。
仕切りのない弁当箱に詰める場合は、ご飯を先に詰め、量の多いおかずから順に間にバランや小カップなどで仕切りしながら、空間がないように詰めるとキレイに見えます。
ただ、生野菜と加熱したおかずやごはんは別の弁当箱に分けて詰めたり、仕切りをきちんとする方が美味しくいただけます。

【1日の食事のバランスを考えよう】

何をどれだけ食べたら良いかという具体的な目安は『食事バランスガイド』をみると良いでしょう。
一番食べる皿数が多いのはご飯やパンなどの主食、次は野菜やキノコなどを使った副菜、やや少なめに肉や魚という具合です。
このほか、牛乳や果物、忘れがちな水やお茶など人間に必要な水分まで『コマ』の形をした図に分かりやすく示されているので、興味を持たれた方は1日の目安をみてみましょう。

なお、1皿、1単位を『1つ』と設定し、主食だとごはん小盛り1杯、おにぎり1個、食パン1枚が『1つ』と数えます。
副菜だと野菜サラダやほうれん草のお浸しなど小鉢1皿が『1つ』と数え、主菜だと1匹の焼き魚は『2つ』、飲食店で食べるような量のハンバーグや生姜焼きなどは『3つ』に該当します。
年齢や運動する頻度などによっても多少異なりますが、中学生以上で1時間程度の運動量がある女性の1日の目安は、主食だと5~7つ、副菜は5~6つ、主菜は3~5つなどとなります。
この中からお昼の分量を配分してお弁当に詰めていきましょう。


【少しだけ心掛けましょう】

お弁当を美味しく食べるためには、もう一つ、持ち歩いている間に『傷まないように』することも大切です。
おかずは汁気がないよう青菜などの水けをしっかり絞ったり十分煮詰めること、お弁当箱に詰める前に、しっかり冷ますことが重要です。
傷みの原因となる菌が大好きな条件は20~50℃の水分がたっぷりある環境です。
ごはんも、詰める前にいったん器に広げて冷ましてから弁当箱に詰め、特に夏場は保冷剤を弁当箱の間に挟むなどの対策をしましょう。
実は先ほど生野菜と加熱したおかずの間に仕切りをしっかりしましょうとお伝えしたのは、油染みや水っぽくなるのを防ぐだけでなく『傷み』を防ぐためでもあります。
なお、前日に調理したものは、電子レンジ等で中心までしっかり再加熱してから冷ますとより良いでしょう。
当日の朝に全て作るのは大変だと思う方は、上手に活用してみましょう。
あともう一つ、食育のために取り組んでいただきたいのは、お弁当の食材を購入する時、子どもが一緒の場合は産地にも注目してほしいということです。
生産者や流通を考え、お弁当を作る工程を経て食べる、という一連のこと身近で感じることで、学ぶことが多くあり、食育につながります。

小さなお弁当箱に色々な思いが詰められます。
でもまずは、手作りお弁当を持って楽しく美味しく食べる所から始めてみませんか。

Text by ゆず/食育インストラクター