冬の漬物と言えばこれ!野沢菜小話

冬の漬物と言えばこれ!野沢菜小話

冬は根菜類が美味しくなる季節です。
にんじん、だいこん、かぶにごぼう…そのままはもちろんですが、漬物にするという方も少なくないと思います。
今回はそんな漬物のお話なのですが、取り上げるのは根菜でなく葉野菜。
冬の訪れとともに旬を迎える野沢菜についてのお話です。

馴染みが薄い方も??

ある日、知人と話していた時に好きな漬物の話になり「野沢菜も美味しいですよね」と発言したところ、相手の方が首を傾げられました。
「のざわな?ってなに?どんなの?」
その時に初めて、野沢菜が全国区の漬物でないことを知り、衝撃を受けました(祖母が長野の出身だったこともあって、私の実家では漬物の定番だったのです)。
その知人の方は九州がご出身でしたので、葉野菜の漬物といえば高菜を一番に想像されたそうなのですが、まさか漬物でカルチャーショックを受ける日がくるとは……と記憶に焼き付いている出来事でもあります。
ですので簡単にご紹介させていただきますと、野沢菜は長野県の野沢温泉で作られたのが始まりとされる葉野菜で、だいこんやキャベツの仲間です。
収穫は11月頃ですが、繊維がしっかりしていて茎がやや固めなので、間引いた若芽などが手に入る地元以外では料理に使われることも少ないのが特徴です。
野沢菜といえば、ほとんどの方が漬物をイメージされるのはこのためです。
この野沢菜の漬物は日本三大漬け菜に数えられています。
他は九州の高菜、広島の広島菜漬
が名を列ねているので、西日本の方にはあまり馴染みがないかもしれませんね。


ぴりりときいた辛味

今ではコンビニのおにぎりやチャーハンの具として定番になりつつある高菜に比べ、どうにも露出度の低い感じが否めない野沢菜。
理由は様々あると思いますが、野沢菜が苦手という方が揃って口にされるのが「からしみたいに辛い時があるから」というもの。
たしかに、お子様は嫌うことが多いかもしれません(私も本当に小さな頃はあのピリっとした辛味は苦手でした)。
水で洗っても塩気は抜けても辛味は残っている時もあったりします。
ですので、どちらかといえば辛味を抜く方法を探すよりは、赤唐辛子の代わりにオイルベースのパスタに加えてみたりなどして、辛味をアクセントとして料理に使うと食べやすくなります!
特に野沢菜は高菜に比べて鮮やかな緑色をしているのが特徴です。
普段は高菜で作るチャーハンも、野沢菜に変えてみると味だけでなく、見た目もがらりと変わりますよ。

いかがでしたか?
野沢菜は他にも、お茶請けなどでも愛されてきました。
こたつに当たりながらゆっくりしている時に、からし漬けの野沢菜とお茶を頂くのも幸せなひと時だったりします。
みなさんも、見かけたらぜひ召し上がってみて下さいね☆

Text by はむこ/食育インストラクター