空洞が生み出す独特な食感!空芯菜あれこれ

夏の野菜は本当に色とりどり!
強い日差しをたくさん浴びて育つことから、緑黄色野菜が多く、鮮やかでツヤのある野菜達は見ているだけで美味しそうです。
そんな夏野菜の中でも数少ない葉物野菜が、今回のテーマである「空芯菜」です。
スーパーで見かけることはあれど、買ったことはない?
そんな方も、読んだらさっそく食べてみたくなるかもしれませんよ。

【エスニック料理でお馴染みの存在

空芯菜は中国や東南アジアを原産とする葉物野菜で、茎に空洞が空いていることからこの名前が付けられました。
「エンサイ」「ヨウサイ」と呼ばれることもあります。
空芯菜の最大の特徴である茎の空洞は水を吸い上げるためにあるもので、実際、東南アジアでは空芯菜を水辺で栽培することも多いのです。
この茎の空洞こそが独特のシャキシャキ食感を生み出すので、食感を損なわないようにさっと炒めて食べるのが一般的です。
炒めて食べることで栄養素の吸収も良くなります。
空芯菜は緑黄色野菜のため、β-カロテンが豊富です。
そして、炒める際に使う油は、このβ-カロテンの吸収率を高める働きがあるのです(使う油の種類は問いません)。
美味しくて栄養価も高い!
と一粒で二度おいしい調理法なのですね。


【恐るべし栄養価!?

空芯菜の栄養価をほうれん草や小松菜と比較すると(七訂 食品成分表参照)、β-カロテンはほうれん草と同じくらい、カルシウムはほうれん草と小松菜の中間ほど、食物繊維量はトップと、冬の葉野菜と比べても負けない栄養素が含まれていることがわかります。
ただし、ほうれん草や小松菜はどちらも寒い冬が旬の野菜です。
葉物野菜は加熱するとかさが減りたくさん食べられるので、できれば夏でも食べたいものですが、旬の頃に比べると味が落ちてしまうのは否めません。
その点、空芯菜の旬は7月からです。
つまり、夏真っ盛りの時期に旬を迎える貴重な葉野菜なのです。
その上、栄養価はほうれん草・小松菜に劣らない…と考えると、ほうれん草・小松菜の二大巨頭に続く、第三勢力!?
といえるかもしれません!

近年では旬の時期になるとスーパーでも取り扱いが増えている空芯菜。
旬であるということは、生産量が増え、安く手に入りやすいということでもあります。
普段はほうれん草や小松菜を使っているレシピを空芯菜で作ってみると、また新たな発見ができるかもしれませんよ。

Text by はむこ/食育インストラクター