子どもの成長を助ける栄養素②~風邪を予防するビタミンC・ビタミンA~

子どもの健やかな成長のためには、十分な栄養を摂ることがとても大切です。
そこで「子どもの成長を助ける栄養素」では、成長に必要な栄養と食材についてシリーズでご紹介していきます!
今回のテーマは「風邪を予防するビタミンC・ビタミンA」です。
普段の食生活と風邪の引きやすさは大きく関係しています。
ビタミンC・ビタミンAをしっかり摂りましょう!!

【ビタミンC】

体内に侵入したウイルスなどの病原菌を攻撃する白血球の働きを強化し、自らも病原菌を攻撃して免疫力を高める作用があります。
したがって風邪予防には欠かせない栄養素なのです!
また、体を構成する重要なたんぱく質のひとつであるコラーゲンの生成に必要不可欠な栄養素です。
コラーゲンは細胞の結合を強くし、皮膚や骨、血管などを丈夫に保つ働きがあります。
コラーゲンがしっかり結合することで、肌にハリ・ツヤが生まれます。
さらにシミのもとであるメラニンの生成を抑える働きもあるため、ビタミンCは美肌ビタミンの代表的存在です。
ママも積極的に摂りたいですね!
そのほか、鉄の吸収を高める、ストレスを和らげる、コレステロール値を下げるなど、さまざまな働きがあります。

≪ビタミンCの多い食品≫
・レモンなどの柑橘類
・いちご、キウイフルーツなどの果物
・ブロッコリー、パプリカ、ピーマン、菜の花など

以上の食品には多く含まれていますが、ビタミンCは水溶性で熱に弱い性質があり、さらに空気などによって破壊されやすいため、生食がベターです。
生食できないものは、スープなどに入れ、汁ごと食べられる調理法がよいでしょう。
ビタミンCは体内に吸収されやすいですが、摂取から2~3時間後に排泄されるため、過剰摂取の心配はありません。
積極的に摂るようにしましょう。
ただし、サプリメントなどで、必要量の何倍もの量を摂取すると、一過性の下痢や嘔吐を引き起こすことがあります。


【ビタミンA】

動物性食品のレチノール、植物性食品のα-カロテン・β-カロテンなどがあります。
皮膚や体の粘膜(鼻・口・胃腸など)を健康に保つ働きがあり、皮膚の粘膜はウイルスなどの病原菌の侵入を防ぐバリアの役割をします。
正しく機能することでウイルスなどの外敵から体を守り、免疫力を高めて感染症を予防します。
そのほか、視力の維持、抗がん作用などの働きがあります。

≪ビタミンAの多い食品≫
・レバー類、卵黄
・うなぎや穴子
・モロヘイヤ、人参、かぼちゃ、ブロッコリー、ほうれん草、青梗菜、ニラなどの緑黄色野菜
・海苔

以上の食品には多く含まれていますが、ビタミンAの吸収率は食品によって差があります。
レバーなどの動物性食品に含まれるレチノールは、どのような調理法でもしっかり吸収されますが、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは腸管での吸収率が低め
ビタミンAは脂溶性なので、油脂と一緒に摂ることで吸収率がアップします。
油で炒めたり、サラダにはドレッシングをかけるなど工夫するとよいでしょう。

β-カロテンは必要な分だけ体内でビタミンAに変換されるため、過剰症の心配はありません。
しかし、レチノールは摂りすぎると吐き気や頭痛を引き起こすことがあります。
(妊娠初期に摂りすぎると胎児の発育に影響が出ることがあると報告されています。)
食品で摂る分にはそれほど神経質にならなくてもよいですが、サプリメントなどを使用する場合には注意が必要です。

ちなみに、ビタミンCは活性酸素の影響などにより酸化すると、免疫力を高める働きが低下してしますが、ビタミンAがビタミンCの酸化を防いでくれるので、意識して食べ合わせるとgood!!

いかがでしたか?
風邪予防のために、ビタミンC・ビタミンAだけを摂っていれば大丈夫!というわけではありません。
さまざまな食品を組み合わせて、たくさんの種類の栄養素を体内に取り込むことが子どもたちの健やかな成長へのカギとなります。
しっかり手洗い、うがいをして、ウイルスや病原菌を体内に入れないようにすることもとても大切です。
バランスのよい食事と規則正しい生活を送り、適度な運動を心がけましょう。

Text by くまこ/食育インストラクター