今が旬!シャキッとした食感がおいしい「絹さや」のお話

今が旬!シャキッとした食感がおいしい「絹さや」のお話

煮物やちらし寿司などの彩りとしてよく料理に用いられている「絹さや」。
添えのイメージが強い野菜ですが、小さなさやと豆には、たっぷりの栄養がつまっています。

【さやえんどうの歴史】

えんどうを若いさやごと食べる「さやえんどう(絹さや)」。
えんどうは中央アジアから中近東が原産地です。
エジプトのツタンカーメンの墓からも出土されるほど歴史は古く、古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されていました。
その後、インドや中国に伝わり、中国から日本へ持ち帰ったと言われています。
現在のようにさやを食べる野菜として栽培されるようになったのは江戸時代からで、明治時代に欧米から優れた品種が導入されたことから全国へ普及して行きました。

【仲間いろいろ「えんどう」について】

先ほど少し紹介しましたが、えんどうは若いさやごと食べる「さやえんどう」、さやの中の未熟な豆を食べる「実えんどう(グリーンピース)」、そして完熟した豆を乾燥させて食べる「えんどう」に大きく分けられます。
さやえんどうの代表が「絹さや」で、「スナップえんどう」、「さとう(砂糖)さや」も同じ仲間です。

①絹さや
さやがこすれる時の音が衣擦れの音に似ていることからこの名がついた
と言われています。
ほかのさやえんどうに比べるとやや小ぶりで、黄緑色の皮と薄いさやが特徴です。
シャキシャキっとした食感とほのかな甘みは、煮物や炒め物、和え物など、さまざまな料理と相性抜群です。
また、色が鮮やかなので、ゆでて煮物や寿司のアクセントとしてもよく使われています。

②スナップえんどう
1970年代にアメリカから導入された比較的新しい品種で、ポキッと手で摘む(=snap(スナップ))ことが出来ることからこの名がつけられました。
「スナックえんどう」という名称でも知られていますが、1983年に農林水産省により名称が統一され、スナップえんどうが正式名称となりました。
さやは肉厚ですがやわらかく、パリッとした食感は、塩ゆでしてサラダや和え物、ゆでずにそのまま炒め物や天ぷらにしたりと、幅広く活用できます。

③さとう(砂糖)さや
絹さやを品種改良したもの
で、「さとうえんどう」とも呼ばれています。
絹さやに比べてさやが厚めで、豆も少し大きくごつごつとした見た目が特徴です。
さやはやわらかくて甘味があり、シャキッとした食感で絹さや同様さやごと食べられます。
糖度が高いことがこの名の由来です。

【おいしい「絹さや」の選び方と保存方法】

さやにハリがあり、ヘタの色が鮮やかなもの、さやが薄く豆のふくらみが小さいものを選びましょう。
さやの先についているひげが白く、ピンとしているものが良品です。
絹さやは乾燥に弱いので、購入したらビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
かためにゆでて冷凍保存も可能です。


【絹さやの嬉しい栄養効果】

絹さやには、β-カロテン、ビタミンCが豊富に含まれています。
β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜を強化して風邪予防につながります。
ビタミンCは、抗酸化作用があることに加え、コラーゲンの生成を助け、皮膚や血管を若々しく保ちます。
さらに、豆の部分には糖質の代謝に関わるビタミンB1や、体の成長や組織の修復に欠かせない必須アミノ酸のひとつ、リジンが含まれています。
絹さやは緑黄色野菜と豆類のよいところをあわせもち、おいしいだけでなく体にも嬉しい野菜です。

【一緒に摂ると効果がアップ!?おすすめの組み合わせ】

●絹さや(β-カロテン、ビタミンC)+ナッツ類(ビタミンE)
抗酸化作用の強いβ-カロテン(ビタミンA)・ビタミンCと、ナッツ類などに豊富に含まれるビタミンEを一緒に摂ることで、抗酸化作用の効果がさらにアップします。
これにより、がん・動脈硬化などの生活習慣病や老化の予防に役立ちます。
ごまのドレッシングを使ったサラダや、クルミやアーモンドを使った和え物がおすすめです。

●絹さや(ビタミンB1)+にんにく・玉ねぎなど(アリシン)
ビタミンB1はにんにくや玉ねぎなどの辛み成分であるアリシンと組み合わせることで、効率よく摂取することができ、疲労回復やスタミナアップに期待出来ます。
ビタミンB1は水溶性なので、体内に蓄積することが出来ず排出されてしまいます。
暑くなるこれからの季節は、汗とともに流出しやすいので、こまめに摂りたい栄養素のひとつです。

絹さやは1年中出回っている野菜ですが、3~6月の今がとてもおいしい旬の時期です。
和え物、炒め物、揚げ物とさまざまな料理に活用出来て、体にも嬉しい野菜なので、添えだけではなく肉や魚などと合わせてメイン料理としても楽しんで下さい☆

Text by まち/食育インストラクター