意外と知らない?「若鶏」と「地鶏」のちがい

意外と知らない?「若鶏」と「地鶏」のちがい

日々の食卓に欠かせない食材のひとつである、鶏肉。
「若鶏」と聞くと、普段手軽にスーパーなどで購入する鶏肉のイメージではないでしょうか?
また、「地鶏」とは、少し高級で、焼き鳥などの専門店で食べられる鶏肉を想像される方も多いのではないかと思います。
今回は、そんな「若鶏」と「地鶏」についてのお話をしたいと思います。

【日本での鶏の歴史】

紀元前300年の弥生時代には伝来しており、埴輪も多く見つかっています。
古代では食用ではなく、「時を告げる鳥」として大切にされていました。
一番鶏は午前4時頃、二番鶏は午前5時頃、三番鶏は午前6時頃と言われ、それぞれの鶏に合わせて起床し、仕事をしていました。
そのため、「庭のとり」「庭にいるとり」の意味の「ニハツトリ」が語源となって「にわとり」と呼ばれるようになったといわれています。


【生まれも育ちも違う、若鶏と地鶏】

●若鶏
ブロイラーとも呼ばれている肉用鶏で、ふ化後3ヵ月未満のものをさします。
短期間で成鶏に達するように育種改良されているため、大量生産しやすく、全国に流通している食用鶏のほとんどが、この若鶏になっています。
飼育方法などに特別な基準はありません。
自然界の鶏は成鶏に達するのに4~5ヵ月かかるのに対し、その半分以下のスピードで若鶏は育ちます。

●地鶏
日本農林規格 (JAS) で基準がしっかりと定められています
特色のある生産方法の基準として、「素びな」、「飼育期間」、「飼育方法」、「飼育密度」の4項目が決められています。

  1. 素びな
    在来種由来血液百分率が50%以上のものであって、出生の証明ができるものを使用していること。
    ※在来種とは、烏骨鶏(うこっけい)、コーチン、軍鶏(しゃも)、比内鶏など全38種
  2. 飼育期間
    ふ化日から80日間以上
  3. 飼育方法
    平飼い(28日齢以降)
  4. 飼育密度
    10羽/㎡以下(28日齢以降)

この条件をすべて満たさない限り、地鶏として認定されません。

若鶏と地鶏を比べると、飼育される環境の違いに驚きます。
若鶏は1㎡あたり16羽前後となり、過密な状況で急激に成長することが分かります。
そのため、当然、価格や味わいにも影響してしまいますね。
また、地鶏は鶏肉全体の約1%しかないというのだから、いかに高級で、ブランド鶏として扱われるのか納得ですね!

また、「銘柄鶏」という言葉もよく耳にされると思います。
はっきりとした定義はありませんが、日本で育てられ、地鶏に比べて成長に優れており、通常の飼育方法とは違い、飼料や出荷日などに工夫が加えられています。

みなさんいかかでしたでしょうか?
若鶏と地鶏の成長スピードがここまで違うとは、正直驚きました。
若鶏と地鶏それぞれがもつ、味わいや食感のちがいを、ぜひとも感じてみてはいかがでしょうか。

Text by ナナちゃん/食育インストラクター