胃腸が弱っているときはやさしい食事で回復を目指しましょう

胃腸が弱っているときはやさしい食事で回復を目指しましょう

寒い時期は風邪や胃腸炎にかかり食欲が出ないことや、年度末に向け忙しくてストレスでお腹が痛いという方もいるかもしれません。
ただ、症状をみると対応策が異なる場合があります。
今回は主に胃の調子が良くない時にどうすればよいかをご紹介します。

【一番大切なこと】

急に胃腸の痛みや吐き気、下痢が襲ってきたとき、原因を探り適切に対処するためには、なるべく早く医療機関を受診しましょう。
重度の場合は受診前に医療機関に連絡してから行くことをおすすめします。
でも実は、同じように心配なのは普段から胃腸が弱い人です。
中には「いつものことだから」と、あまり気にしないで放ったままの方もいらっしゃるようです。
そのままにしておくと重症化してしまうケースもありますし、深刻な病気のサインである可能性もあります。
調子の悪い時は、専門医に診てもらうことから始めましょう。
自己判断は禁物です。

【胃の本来のはたらき】

胃では栄養の吸収をしませんが、消化の準備と食物の貯蔵庫のような役割をします。
まず、小腸で栄養の吸収をしやすくするために、胃液と食物をよく撹拌して粥状にします。
さらに殺菌をしたり、たんぱく質の分解をします。
また、小腸に送り込まれた食物の消化吸収は時間がかかるため、胃に食物を留めて小腸へ送る量を調節する働きもします。
胃液の役割を詳しくみてみると、強力な酸で食物を殺菌したりやわらかくする胃酸やタンパク質を分解する酵素のペプシノーゲン、胃の粘膜を胃酸から保護する役割をします。
この胃粘膜にはムチンが含まれています。
これらがうまく働いて健康維持につながっていますが、何らかの理由で胃の内部のバランスが崩れると胃壁を壊してしまったり、胃の動きが悪くなってしまい、不調がおきてしまいます。


【弱っているときの食事】

まずは専門医の指示に従いましょう。
その際、胃の働きが悪かったり、下痢をしているため「お腹にやさしいものを」と言われた場合は「白がゆ」をおすすめします
このとき、具材は加えない方がよいでしょう。
少し体調がよくなってきたら消化しやすい食材を少しずつ加えます
例えば、卵を加える時は仕上がる直前に卵を溶き入れ、再沸騰させて火を止め、やわらかい状態で仕上げます。
他には白身魚ややまいもを加えて一緒に煮込むのもおすすめです。
少し回復してきても油分と食物繊維が豊富な食材をすぐに食べるのは避けましょう
水分を摂る場合は微温湯や常温の飲み物にして、極端に熱いものや冷たいもの、果汁や炭酸の入ったジュースなどは胃腸を刺激するので避けます。
「栄養を摂らないと」と気になり色々な食材を食べたくなりますが、体調が回復するまでは負担のかからない食事を最優先して摂り、専門医と相談しながら徐々に普段の食事に戻していきましょう。

Text by ゆず/食育インストラクター