「ブイヨン」と「コンソメ」の違いって?

 「ブイヨン」と「コンソメ」の違いって?

今ではスープ専門店ができるほど、全国的に広まり、大変人気がありますよね。
そんなスープに使われる「ブイヨン」「コンソメ」
固形や顆粒のものを使われる方も多いかと思いますが、それぞれの違いをご存知でしょうか?
今回は「コンソメ」と「ブイヨン」についてご紹介します(^^)/

【意外と知らない?!ブイヨンとは】

ブイヨン[bouillon]とはフランス語で、西洋料理に使われる出汁(だし)のことです。
「コンソメ・サンプル」、「コンソメ・ブラン」などともいわれます。
おもにポタージュ類の土台となる出汁に用いられます。
ブイヨンに使われる材料は、脂肪の少ない牛肉、鶏肉、魚、野鳥獣肉、それらの骨、すじ肉などです。
香味材料として、にんじん、たまねぎ、トマト、かぶ、セロリ、リーキ、パセリ、にんにく、クローブ、タイム、ローリエなどが使われます。
英語ではブロス、ストック、スープストックなどと呼ばれ、イタリア語ではブロードといわれます。
じっくりと煮込んで、丁寧にアク取りをすることで、肉や野菜からでる「うま味」を引き出して作られます。

【コンソメはポタージュの一種】

コンソメ[consommé]とは、ポタージュの一種で、澄んだスープを意味します
ポタージュ・クレールともいわれます。
コンソメとは「完成された」という意味で、ラテン語の[consummàre](完成する)が語源となります。
脂肪の少ない新鮮な肉や野菜と卵白を十分に混ぜ合わせた中に、ブイヨンを注いで火を調節しながら、長時間煮てゆきます。
浮いた脂を丁寧に取り除き、静かに布で漉すとコンソメの出来上がりです。
美しい琥珀色に澄んだスープこそが「コンソメ」の証といえます!
ちなみに、アクはにごりのもととなってしまいます。
材料としっかり混ぜ合わせた「卵白」が、肉と野菜からでたアクを引き寄せるのです。
卵白を使ってアクを吸着させるとは、驚きですね!!

【ポタージュとはなんだろう】

コンソメはポタージュの一種ですが、ポタージュ[potage]はフランス語で、一般的に「スープ(英:Soup)といわれている汁物の総称」として使われる言葉です。
コーンポタージュやかぼちゃのポタージュなど、とろみがついたスープをイメージする方も多いかと思いますが、「ポタージュ」は大きく分けると3つに分類されます。

●ポタージュ・クレール
澄ましたコンソメ。

●ポタージュ・リエ
野菜のピューレなどでとろみをつけたもの。

●ポタージュ・スペシオー
ポタージュ・クレール、ポタージュ・リエ以外の汁物。
ブイヤベース、ポトフー、オニオングラタンスープなど。
外国のスープ(ロシアのボルシチ、ハンガリーのハンガリアングーラッシュなど)も含まれる。


【フランスでのスープ(Soupe)はポタージュの仲間】

またここで分かりづらいお話になりますが、フランスでのスープはポタージュの仲間で、「郷土料理や、田舎風のパンを浸して食べる伝統食」のことをあらわします。

【まとめ:ブイヨンは出汁、コンソメはスープ】

こうして「ブイヨン」と「コンソメ」をそれぞれ見ると、全く違うことが分かります!
簡単にいえば、「ブイヨン」はスープの基本素材となる“出汁”のことで、「コンソメ」はブイヨンを使った“スープ”となりますね☆

日本の料理でいうならば、「一番だし=ブイヨン」で「お吸い物=コンソメ」と例えられるでしょうか?
ぜひとも日々のお料理で使い分けをしてみてはいかがでしょうか(#^^#)

 Text by ナナちゃん/食育インストラクター