食物アレルギー③アレルギー別レシピ~卵除去~

誰でもなる可能性がある食物アレルギーについて、シリーズでお届けします。
今回は食物アレルギーの中でも発症する方が多い「卵」を除去した、本物そっくりな「袱紗寿司(ふくさずし)」と、パリッとした食感が魅力的な「チュイール・ダンテル」をご紹介します。

【食材を選ぶ際の注意点】

食物アレルギーの反応がどの程度出るかは個々で差があります。
少しくらい対象食物が入っていても大丈夫という方もいれば、同じ製造ラインで作られていただけでも反応が出てしまう方などさまざまです。
食材を購入する際は、裏などの記載をよく読み、自分に合っているか確認して購入し、分からない場合は製造元へ問い合わせたり、医師に相談して下さい。


【袱紗寿司】

見た目は薄焼き卵。
でも、食べると…卵じゃない!
卵アレルギー向けの薄焼き卵風レシピです。

<材料(2個分)>
Aかぼちゃ(加熱して裏漉したもの)・・20g
A水・・大さじ5
B片栗粉・・小さじ1
B薄力粉・・大さじ2
B塩・・ひとつまみ
B砂糖・・小さじ1/4
サラダ油・・適量
お好みの味つきごはん・・適量
三つ葉・・適量

<作り方>

  1. ボウルにAを入れて混ぜ、Bを加えてよく混ぜ、細かいザルなどで漉す
  2. フライパンにサラダ油を熱し、半量の(1)を流し入れ、弱火でじっくり火を通す
  3. 3~4分ほど焼いてフチの部分が乾き、全体がはがれるようになったらひっくり返してサッと火を通し、オーブンシートの上に取り出し、冷ます
  4. 三つ葉は塩を加えた湯で5~10秒ほどゆでて冷水に取り、しっかりと水気をふく
  5. お好みの味つきごはんを四角く形作って(3)で包み、(4)の三つ葉でしばる

<ポイント>
・細かいザルや、漉し器などで漉すことで、なめらかな生地になります。
・焼き方としてはクレープ生地や薄焼き卵を作る要領と同じです。
・しっかり火が通っていないとフライパンからはがれにくいので注意して下さい。
・三つ葉は彩りですので、違うものでも構いませんし、なくても大丈夫です。

今回は袱紗寿司にしましたが、茶巾にしたり、オムライスにしたりと、いろいろなメニューをお試し下さい♪

【チュイール・ダンテル】

フランス語で「瓦(かわら)」を意味するチュイール。
卵白を入れて作るものもありますが、今回は卵白を入れずに作る「チュイール・ダンテル」に挑戦です!
ダンテルはフランス語で「レース(レース状)」という意味。
向こうがすけて見えるぐらい薄くてパリパリのお菓子を作っちゃおう☆

<材料>(※1枚あたり3gで30枚前後とれます)

A薄力粉・・10g
Aグラニュー・・30g
B溶かしバター・・15g
B牛乳・・15g
アーモンド(ダイス)・・20g

<作り方>

  1. ボウルにふるったAを入れ、Bを注ぎ入れてよく混ぜる
  2. (1)にアーモンド(ダイス)を入れて混ぜ、冷蔵庫で30分以上生地を休ませる
    ※時間があれば2~3時間休ませてください
  3. 生地を休ませ終わる10分ほど前になったら、オーブンを160℃に予熱する
  4. 生地を3gずつスプーンなどですくい、オーブンシートを敷いた天板にのせる
    ※焼くと生地が広がるので、間隔をあけておく
  5. 予熱の終わったオーブンで10~15分、香ばしい焼き色がつくまで焼く
    ※焼けたものから、フライ返しなどを使って取り出してください

<ポイント>
・Aの牛乳もバターを溶かす際に一緒に湯せんなどにかけておくと温まり、バターがかたまりづらくなります。
牛乳をオレンジジュースに変えると爽やかな仕上がりになります。
・ごまを加えるなどアレンジしてみると味のバリエーションが広がります。
・今回は有塩バターを使い、ほんのり塩気を感じる仕上がりになっています。
お好みで無塩バターに変えて下さい。
・作って数日はパリパリ感が持続しますが、湿気の多い場所や時期は乾燥剤を入れるなど湿気対策をすると効果的です。

食物アレルギーを持っていると、お友達や家族と同じものが食べられないといったことで悩むお子さんも多いですね。
子どもにとっての「食」は、大人が思う以上に他者とのつながりに深く関わっているのかもしれません。
すべてを同じにすることは難しいかもしれませんが、「見た目を似せる」・「アレルギーを持つ側に寄り添った食材を使う」など、工夫をすることでたくさんの笑顔が見られるといいなと思います。

一緒に作って、家族や友達と楽しい時間を過ごしてください。

Text by さゆり/食育インストラクター