食物アレルギー別レシピ~卵除去~

誰でもなる可能性がある食物アレルギーについて、シリーズでお届けします。
今回は「卵」を除去したレシピをご紹介!
ふんわりとした食感がおいしいパウンドケーキを卵なしで作ってみました!

【食材を選ぶ際の注意点

食物アレルギーの反応がどの程度出るかは個々で差があります。
少しくらい対象食物が入っていても大丈夫という方もいれば、同じ製造ラインで作られていただけでも反応が出てしまう方などさまざまです。
食材を購入する際は、裏などの記載をよく読み、自分に合っているか確認して購入し、分からない場合は製造元へ問い合わせたり、医師に相談して下さい。

【ノンエッグパウンドケーキ

卵なしでも、「しっとり」「ふんわり」を目指しました。
シンプルな味なので、バニラオイルで香りをつけたり、ココアや抹茶でアレンジを加えても! 

<下準備>

  • オーブンを180℃に温めておく。
  • バターを湯せんにかけ、溶かしバターにしておく。
  • 型に敷き紙を敷く。
    (焼くと生地が膨らむので型の高さより2~3cm高くして下さい。)

<材料(縦9cm×横18cm×高さ6cm位のパウンド型1台分)> 調理時間:45分
A薄力粉・・130g
Aアーモンドプードル・・20g
A上白糖・・60g
A塩・・小さじ1/3(2g)
Aベーキングパウダー・・大さじ1(12g)
B牛乳・・200g
Bハチミツ・・15g
溶かしバター・・80g

<作り方>

  1. ボウルにAを入れて泡立て器でよく混ぜ、Bを加え混ぜる
  2. (1)に溶かしバターを加えて全体を混ぜたら型に入れる
  3. 予熱したオーブンに入れ、40分焼く
  4. 焼けたら型からはずし、粗熱を取る

※途中で焦げそうなときは、上にアルミホイルをかけて焼いて下さい
※ハチミツを使用していますので、1歳未満のお子さんには与えないで下さい。


【パウンドケーキのパウンドってなに?】

パウンドケーキはイギリスが発祥で、小麦・バター・卵・砂糖で作るシンプルなバターケーキ
この4つの材料が同量ずつ入るのが基本です。
「パウンド」は英・米での呼び名で、材料をすべて1ポンドずつ入れることからこの名がつきました。
フランスでは、パウンドケーキにあたるケーキのことを「カトルカール(4分の4または、4分の1が4つの意)」といいます。

油脂の多いケーキなので、しっとりとし日持ちもよいのが特徴です。
そしてパウンドケーキを作るときのポイントは「空気」です。
バターと砂糖をしっかりとすり混ぜることで空気を含み、きめの細かい仕上がりになります。
パウンドケーキは基本の材料のほかに入れるさまざまな食材によって、たくさんのバリエーションが作られています。

【今回の代替え食材「牛乳」と「ハチミツ」「アーモンドプードル」について】

お菓子作りにおける卵の役割は「味をよくする」・「コクやうま味が出る」・「黄身の色がお菓子をおいしく見せる」・「泡立てて空気を含ませることで食感をふんわりとさせる」・「生地をしっとりとさせる」・「なめらかさが出る」などです。
今回は卵を使わず、卵の分を同じ動物性食材の牛乳に置き換えました。
パサつきを防ぐために、量は少し多めです。
砂糖はグラニュー糖ではなく上白糖にし、ハチミツを加えることで、しっとりとした仕上がりを手助けしてもらいました。
また小麦粉の一部をアーモンドプードルに置き換えることで、アーモンドの油脂と香りがコクや風味をプラスしてくれます。
今回使用したアーモンドプードルは、100円ショップで売っていた「ローストアーモンドプードル」という商品です。
一般的なアーモンドプードルでも作ってみましたが、ローストされているものの方がこうばしさがあり、おいしく感じましたので、もし見つけたらローストタイプのもので作ってみて下さい。

代替え食材で作ったパウンドケーキは、すべてを同量で作るとうまくいかないため、材料の分量はまちまちです。
また、材料も基本の4つ以外に加え、手順もそれに合わせて変更していますが、アレルギーをお持ちの方が少しでも笑顔でおいしくと食べていただければ嬉しいです。

今回は牛乳とハチミツ・アーモンドプードルを代替えとして使用しましたが、豆乳や豆腐、バナナなどさまざまな材料に置き換えて作っているものもよく目にしますので、お好みの作り方を探してみるのもいいですね。
アーモンドのアレルギーがある方は、すべてを薄力粉に置き換えていただいても作ることが出来ますので、お試し下さい。

Text by さゆり/食育インストラクター