気持ちが落ち着かないときにはコレ!?牛乳とイライラの関係に迫る!

「あんまりイライラしているから、ひょっとしてカルシウムが足りてない?牛乳を飲んだ方がいい?」
イライラしているのを自分で自覚したとき、こう思ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ですが、なぜカルシウムとイライラが結びついているのか、疑問に思ったことはありませんか?
今回のテーマはイライラとカルシウムの関係と、牛乳にまつわるお話です。

【イライラにカルシウム!と言われる理由は・・・?

イライラしているときは気持ちが悪い方へ高ぶっているから、なかなか集中もできない。
こうなると普段しないようなミスも多くなるので、余計にイライラする悪循環におちいります。
病気やケガではないので後回しにしてしまいがちですが、精神のバランスは健康にも関係する要素です。
イライラを解消して、悪循環をさっさと断ち切りたいですね。
イライラの解消方法はさまざまなものがありますが、食事に関係するもので有名なのがカルシウムが足りないからイライラしやすくなるというもの。
人間の体内のカルシウムはほとんどが骨や歯に含まれていますが、血液の中にも微量ながら入っています。
この血中カルシウムは神経の働きや筋肉を動かすために、なくてはならない存在なのです。
神経は人間の気分と関係が深いので、カルシウムと無関係ではありません。
ですが、人間の体には血中カルシウムに不足がないように、常に調節する機能があります(血中カルシウムが足りなくなると、体は自分の骨を壊してでもカルシウムを補充しようとします。それだけ優先順位が高いのです)。
つまり、カルシウムを摂ってイライラが治まるのは非常にまれなパターンだといえます。
逆にサプリメントなどで大量に摂ってしまうと、過剰症を引き起こすことも・・・!?

参考までに、成人におけるカルシウムの耐容上限量(一日でこれ以上摂ると過剰症を引き起こす可能性がある量)は2,500mgです。
年齢、性別によって一日の推奨量(このぐらい摂っておくとよい量)は変わりますが、成人の女性で650mg男性では650~800mgとされているので、普通の食事をしている分には過剰になることはほぼ無いと言ってよさそうですね。
まとめると、カルシウムは体にとって必須の栄養素ですが、イライラ解消という目的のために大量摂取するのはNG!
です。


【牛乳とイライラ

「カルシウムといえば牛乳!でも、カルシウムがイライラを解消してくれるわけではないなら、牛乳って役に立たないの・・・?」
確かに、カルシウムだけにスポットをあててしまえば、イライラ解消に高い効果があるとはいいがたいのですが・・・牛乳が優れているのは、カルシウムが豊富だからだけではありません。
牛乳には睡眠の質を高める働きが期待でき、これがイライラの解消に役立つのです。
「イライラの話なのに睡眠って関係あるの?」と疑問に思われるかもしれませんが、質のよい睡眠は心身の疲れをとり、高ぶった気持ちを静めてくれるのですね。
牛乳にはトリプトファンと呼ばれるアミノ酸が含まれ、体内で睡眠を促すホルモンのメラトニンの材料になります。
睡眠の質を上げる効果が期待できますが、メラトニンをつくるのは時間がかかるため、寝る前に飲むよりも日中に飲む方が効率的です。

また、温かい飲み物を飲むと体温が上がり、飲み終わってから時間が経つにつれて、体温が少しずつ下がります。
この体温の変化がスムーズな入眠を助けるため、睡眠の質を高めると考えられます。
(※ホットドリンクの中でも牛乳がよいとされるのは、カフェインなどの睡眠を妨げる成分が含まれていないからです。)
つまり、日中に飲む方がよいのか、寝る一時間くらい前に飲むのがよいのか、二通りの考え方があるのです。
どちらがよいかは個人によって違いますが、温かい飲み物で体温が上がると気持ちもホッとするので、イライラ解消に役立ちそうなのは夜のホットミルクと言えそうです。

イライラする理由はさまざまな原因があり、食べ物だけで根本的な解決になるとは言いがたいのです。
とはいえ、一度イライラの流れを断ち切るために、ゆっくり休むことや、張りつめた気持ちを緩めて考える時間を持つのはよいことです。
そんな時間を過ごすときの飲み物として、牛乳が役に立ってくれるかもしれません☆

Text by はむこ/食育インストラクター