離乳食に慣れてくる中期は、初期と比べて使用出来る食材が増えてきます。
今回は7~8カ月ころの離乳食中期向けのリゾット風レシピです。
【リゾット】
リゾットはイタリアの米を使った料理で、米の生産が盛んなイタリア北部を中心に食べられてきました。
米は日本のような粒の小さい品種ではなく、細長くて大粒の品種を使います。
リゾットの見た目は水分の少ない「お粥」や「雑炊」のようですが、芯までやわらかくなった米を食べるお粥や雑炊に対し、米に芯が残るアルデンテに仕上げていきます。
作り方は生米をバターや油で炒め、アツアツのブイヨンなどを数回に分けて加えて作ります。
お粥もていねいに炊く場合は生米から作ることもありますが、基本的には雑炊同様炊けたご飯を使用することが多く、決定的な違いは米を炒める工程です。
日本で作られるリゾットのなかには炊いたご飯を用いる場合もありますが、本格的なリゾットは生米を炒めて作ると覚えておきましょう。
今回のように離乳食用として作る場合、アルデンテにしてしまうと赤ちゃんにとって食べにくく、消化吸収もしにくいので、芯までふっくらと炊けたご飯を使うレシピにしました。
【小松菜とチーズのリゾット風】
<材料(1人分)> 調理時間:10分
7倍がゆ・・50~80g
玉ねぎ・・10g
小松菜(葉先)・・5~10g
好みのスープ・出汁など・・大さじ1~
カッテージチーズ・・小さじ1/2~1
<作り方>
- 玉ねぎ・小松菜はそれぞれやわらかくゆでて、細かく刻む
- 鍋に7倍がゆ・スープ・(1)の玉ねぎを入れて火にかける
- 沸いたら、小松菜を加えて少しトロミが出るまで加熱し、器に盛りつけてカッテージチーズをのせる
<ポイント>
- 7倍がゆは、ご飯60gに水300mlを鍋に入れ、沸いたら弱火で10分ほど煮、そのあと7~8分蒸らしたものを使用しています。
中期の後半になると、赤ちゃんによっては5倍がゆに移行する子も出てくるかもしれません。
そのときは、ご飯60gに水200mlの割合で、上記の作り方で作ったものを使用してください。 - おかゆを作る際の水は、出汁やスープに変えても構いません。
- 今回はカッテージチーズを使用しましたが、粉チーズもごく少量であれば使用することが出来るので、風味づけ程度に使うと、カッテージチーズとはまた違った味を楽しめます。
【小松菜の栄養】
小松菜は、子どもの成長に欠かせないカルシウムや葉酸、血液中の赤血球に必要な鉄が豊富な野菜です。
風邪予防に効果的なビタミンCやβ-カロテンも含まれているので疲労がたまりがちなママやパパにもおすすめです。
【離乳食中期以外での使用方法】
●初期(5~6カ月)
初期は、食材に慣れる時期です。
複数の食材を合わせて食べさせるより、食材そのものの味を味わえるように単体で与えましょう。
小松菜は今回同様葉先だけをやわらかくゆで、すり潰すか、細かく刻んで与えます。
青臭さなどに敏感な場合は、出汁でのばすとうま味も加わり食べやすくなります。
玉ねぎも同様にやわらかくゆでてすり潰すなどして与えます。
チーズ類はまだ早いので、中期以降になったら塩分や脂肪分の少ないものから挑戦していきましょう。
●後期(9~11カ月)
カミカミ期のこの時期は、歯ぐきを使って食材をつぶしながら食べる練習のころです。
大きさは4~5mm角くらいから始め、後半は6~7mm角くらいにします。
まだまだ食材を噛み切ることは難しいので、小松菜の茎は与えず、葉のみにしましょう。
玉ねぎは、しっかり加熱すると甘みが増し、そして簡単に潰せるので、角切りにして歯ぐきを使う練習食材にするのもおすすめです。
チーズ類も、使用出来る種類が増えてきますが、全体的に塩分・脂肪分が多いので、ごくたまに少量を味のアクセントとして使うとよいですね。
米は5倍がゆが基本ですが、赤ちゃんの様子によって、おかゆを嫌がるようなら軟飯に挑戦してみるのもよいでしょう。
ただし、しっかりと見守り、無理をさせずにいつでもひとつ前に戻れるようにしてください。
●完了期(1歳~1歳6カ月)
完了期は、やわらかめの肉団子くらいのかたさのものが食べられるようになるころです。
小松菜の茎も食べられるようになってきますが、いくらやわらかくゆでても長い繊維は噛み切ることが出来ず、喉詰まりの原因にもなるので、細かく刻んで繊維を断ち切って与えます。
チーズは後期同様様子を見ながら少しずつ与えていきましょう。
完了期の後半は軟飯から大人と同じご飯に移行する子も出てきますが、こちらもその子に合ったかたさかどうかなどのチェックを忘れずに。
子どもが大きくなってから離乳食期を振り返ると、長く大変だと感じていたのに、なぜかあっという間だったなと思うことがあります。
あまり食べてくれなかったり、偏食で好きな物しか食べない時期があるかもしれませんが、「数日単位でそれなりに食べていたならよし!」と、肩の力を抜いてみてくださいね。
Text by さゆり/食育インストラクター