鰆がおいしい季節がやってきた!

刺身や西京焼き、照り焼きなど、どれで食べてもおいしい「鰆」は、これからの時期に旬を迎えます。
今回は、そんな「鰆」の魅力に迫ります。

【「鰆」ってどんな魚?】

古くから日本では冠婚葬祭に使われていて、煮物や焼き物など、懐石料理につきものの魚です。
かつては西日本で多く漁獲されていましたが、今では温暖化の影響で東北・青森でも獲れるようになっています。
漢字では「鰆」と書きますが、これは産卵時期の春によく漁獲されることからこの漢字があてられたとされています。
主に冬~春にかけてたくさん獲れる魚ですが、回遊魚なので地域によって旬が異なります。(関東地方は冬を旬とする場合が多く、関西地方では春を旬とする場合が多いようです。)
なかでも、冬の鰆は成魚・若魚ともに脂がのり、「寒鰆」としてとても人気があります。

【鰆はサイズで名前が変わる!】

鰆は、ブリやスズキなどの魚同様、サイズで名前が変わる『出世魚』ですが、そのなかでも特に成長スピードが速く、『スピード出世』をする魚と言われています。
極めて小さな卵から孵化し、当初は4mmほどの小さな体ですが、生後4日目くらいには鋭い歯が生えてきて、ほかの魚の仔魚や甲殻類など食べるようになります。
生後1カ月で5cm、そこからさらにスピードが増し、生後1カ月半では10cmを越えてくると言われています。

そんな鰆は、主に関西では

  1. 50cm前後までを「サゴシ」
  2. 50~60cm前後を「ヤナギ」
  3. それ以上を「サワラ」

と呼びます。

関東では

  • 50cm前後までを「サゴチ」
  • それ以上を「サワラ」

と呼び、大きいものだと1mほどにもなります


【鰆にはどんな栄養があるの?】

鰆は健康な体づくりに欠かせない良質なたんぱく質をはじめ、さまざまな栄養素が多く含まれています。
今回は、代表的なものを4つご紹介します。

●ビタミンB12
たんぱく質の合成やアミノ酸の代謝に関わる栄養素です。
また、正常な赤血球の生成にも関与しています。

●ビタミンD
骨の材料となるカルシウムやリンの吸収を促進し、骨に沈着させる作用があり、丈夫な骨や歯を作るためにとても重要です。

●ナイアシン
500種以上の酵素の補酵素として、エネルギー産生や、糖質・脂質・たんぱく質の代謝、DNAの修復や合成など、さまざまな機能に関わっています。
二日酔いの原因にもなる「アセトアルデヒド」を分解する酵素の補酵素として働くため、お酒をたくさん飲む方はナイアシンを積極的に摂り入れましょう。

●DHA、IPA(EPA)
鰆の脂には不飽和脂肪酸のDHA・IPA(EPA)が豊富です。
これらは血栓の予防や中性脂肪を減少させる働きがあり、生活習慣病の予防に役立ちます

 【おいしい鰆を見極めるには?】

切り身を購入するときは、以下の点に注目してみましょう。

  • 皮が銀色っぽく輝き、斑点も濃くハッキリとしている
  • 身の部分に透明感があり、白濁していない
  • 身割れしていない
  • 水分が出ていない

鰆は傷みがはやいので、上記の点をよく見て購入するのがおすすめです。

【海外では鰆はどんな風に食べているの?】

日本では西京焼きなどにすることの多い鰆ですが、実は韓国や台湾などでも食べられています。

■韓国
コンドゥレサムチジョリム(コンドゥレナムル入り鰆の煮付け)
江原道の郷土料理で、山菜の一種のコンドゥレと鰆をタレで煮付けたものです。
魚のくさみが消え、コンドゥレの香りと鰆の淡白な味が楽しめます。

サムチガンジョン(鰆の甘辛揚げ)
鰆を揚げて甘辛いタレを絡めた料理です。
子どもも食べやすいように工夫されています。

このほか、キムチチゲに入れたり、シンプルに網やフライパンで焼いて食べたりもするようです。

■台湾
片栗粉をまぶしてカラッと揚げて食べるほか、その唐揚げをとろみのあるスープに入れて食べるようで、夜市などでも販売されています。

同じ魚でも、国によっていろいろな食べ方をしているのは面白いですね。

 鰆は水分が多く、身がやわらかい繊細な魚ですが、旬の時期の味わいは格別です!
皆さんもぜひ、この冬は「鰆」を楽しんでみてはいかがでしょうか?

Text by ろい/食育インストラクター